木漏れ日和

日常のことや読書・映画を中心に

はぐれ者への優しい眼差し ショーン・タン

福岡県に緊急事態宣言が発令される前、北九州市立美術館分館で開催されている「ショーン・タンの世界展』に行って来ました。

 

入り口では検温と、コロナ患者が出た場合に追跡出来るよう連絡先を記入する必要がありました。思ったより人出は多かったかな?(行ったのは1月4日)でも来場者がそれぞれ密にならないよう気を遣って鑑賞していたので、とても快適に見れました。

  

アライバル

アライバル

 

 

ショーン・タンと言えば、移民を描いた文字の無い絵本『アライバル』が有名ですが、浜辺で見つけた迷子の生物に家を見つける『ロスト・シング』、留学生のエリックのカルチャーショックをユーモラスに描いた『エリック』など、過去作の原画と習作が惜しみなく展示されていて、たっぷり世界に浸ることが出来ました。

まだ読めて無いのですが、『内なる町から来た話』の原画は展示物の中で最大で、見応えがありました。空を翔ぶ不思議な魚を抱えた少年の絵が印象的です。

 

ショーン・タンのどこか郷愁を誘うような世界は、マイノリティーへの優しい眼差しに満ちています。会場の最後で上映されるのは、ショーン・タン自身が監督、脚本、デザイン、美術を全て自分でつとめ、納得のいくものに仕上がるまで10年の歳月を費やした『ロスト・シング』の短編アニメです。

 

無機質な人間社会と、“迷子たち“がのびのびと暮らすカラフルな場所のコントラストなんかは映像化あってのものだと思います。“迷子“が動く度に鳴る鈴の音が可愛らしく、最後はだるまストーブに萌えを感じる私がいました。

 

ロスト・シング

ロスト・シング

 

 

写真OKなコーナーがあったので記念に。 

北九州展のために書き下ろしです。またもや変な生き物。

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外出し辛い時期ではありますが、お近くの方は万全の対策をして行かれてはどうでしょうか。

それではこの辺で。トゥク トゥク トゥク!